多くのプロとアマチュアが集い白熱した3日間が開催!
「地元のプロを応援しよう」「東北のジュニアゴルファーを応援しよう」「東北のゴルファーに元気を与えよう」をテーマに例年開催している『宮城オープンゴルフトーナメント』は、東日本大震災翌年の2012年から開催され、今年で12年目、第11回大会を迎えました。
2024年度は東北を代表する男子ツアーとして多くの闘いが繰り広げられた表蔵王国際ゴルフクラブ(6,681Y/PAR71)を舞台に、初日の7月15日(月)はプロアマチャリティー大会が、7月16日(火)〜17日(水)は、レギュラー、シニア、女子プロを中心に、アマチュア、ジュニアによる36ホールの競技が行われ、今年も素晴らしい有意義な大会になりました。
参加された選手の皆様、快くご賛同をいただいた協賛各社のご支援と、大会関係者の強力によって大会を継続することができ、あらためまして心から感謝申し上げます。
団体戦は宮里優作プロチームが優勝
初日のプロアマチャリティーゴルフ大会は梅雨空の中でのスタートとなりましたが、その後は晴れ間が差すほどに回復し無事終了しました。アマチュア3名にプロ1名が同伴して行う競技形式で、アマ106名、プロ36名、合計142名が参加。アマチュアはWペリア方式。プロのグロススコアとアマチュア3名のうち上位2名のネット合計スコアで競う団体戦が行われました。
競技の結果、宮里優作プロチームが優勝しました。宮里優作プロが8アンダー・63の好スコアをマークし、アマチュアの菊地茂樹さん、菊地奈緒美さん、海本明宏さん上位2名との合計207.2でした。メンバーは表蔵王国際GCで普段プレーする仲間同士で参加。菊地茂さんは「今日は宮里優作プロと楽しくラウンドさせていただきました」。菊地奈緒美さんは「パターが良く決まったのが良かったです」。海本さんは「宮里プロのプレーを間近で見て、その残像をイメージしながらスイングしたのが良い結果に繋がりました」とそれぞれ優勝の喜びをコメントいただきました。
プロの部個人戦はレギュラーツアーの合間を縫って昨年に引き続き参加した宮里優作プロが31、32、63の好スコアで2位に4打差をつけて優勝しました。「メンバーの皆さんに恵まれ、コースコンディションも良く、皆さんバーディも普通に取っていましたし、自分もパッティングが良くてついたところが入ってくれて、団体優勝にも繋がりました」。
「天気も良かったですし、楽しく回れたのが一番良かったですね。僕らツアープロはこうして仙台でプレーする機会もあまり無いので楽しみにしてますし、周りの若手選手には刺激になってくれればと思っています」と応えてくれました。
宮城オープンゴルフトーナメントは7月15日(火)〜16日(水)の2日間、36ホールストロークプレー(予選カットなし)で争われました。初日15日(火)、舞台は男子ツアーで多くのドラマを生んだ表蔵王国際ゴルフクラブ(6,681Y/PAR71)。梅雨空ですが小雨がパラパラ落ちる程度でコンディションは上々。第1ラウンドにはプロが112名、アマチュアが25名、合計137名(欠場1名)が参加。特にアマチュアはジュニアからミッドシニアクラスまで史上最多の25名が参加しオープン競技らしい体をなし、定刻とおり一斉にスタートしました。
金谷拓実プロが初参戦!いきなり驚愕の9アンダーコースレコードをマーク!
現在では欧州ツアーを中心にメジャー、PGA、アジアツアーと国内外をまたにかけ活躍している金谷拓実プロが急遽参戦することとなり、どんなプレーを見せてくれるのか期待していましたが、想像のはるか上を行くプレー内容とスコアに関係者はもちろん参戦しているプロ、アマチュアも息を巻きました。
アウトスタート。東北福祉大時代にプレー経験はあるのの練習なしのぶっつけ本番。6番までパーを重ねそこから猛攻が始まりました。7、8番の連続バーディーから、続く9番では第2打を直接カップインさせるイーグルで前半を締め4アンダー・32で折り返し。後半も10番から3連続バーディー。6番からの6ホールで7アンダーとスコアを伸ばします。その後、15、17番でもバーディーを奪い、終わってみれば1イーグル、7バーディー、ノーボギーの9アンダー・62で単独トップに立ちました。表蔵王国際GC(PAR71)での62ストロークはその後正式コースレコードとして認定されました。
POS | (+/-) | PLAYER | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | OUT | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | IN | 1R |
4 | 4 | 4 | 5 | 4 | 3 | 5 | 3 | 4 | 36 | 3 | 4 | 5 | 4 | 3 | 5 | 4 | 3 | 4 | 35 | 71 | |||
1 | -9 | 金谷 拓実 | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ○ | ○ | ◎ | 32 | ○ | ○ | ○ | ・ | ・ | ○ | ・ | ○ | ・ | 30 | 62 |
2 | -7 | 宮里 優作 | ・ | ○ | ・ | ○ | ・ | ・ | ○ | ○ | ・ | 32 | ・ | ○ | ○ | ○ | ・ | ○ | ・ | ・ | △ | 32 | 64 |
第2位に7アンダー・64で宮里優作プロが続き、以下6アンダー・65で3人が並び上位陣は混戦模様
続く第2位には前日のプロアマチャリティー大会個人の部で優勝した宮里優作プロが本戦トーナメントでも好調。8バーディー、1ボギーの7アンダー・64をマーク。以下、矢野辰典プロ、木下大海プロ、山本豪プロが6アンダー・65で並び3位タイ。金谷プロが1歩リードしますが、上位陣は混戦模様となりました。
17日(水)最終日・第2ラウンド。この日も梅雨空で蒸し暑い天候ではありますが、好コンディションで最後の18ホールが行われ、最終組の金谷プロ、宮里プロの闘いに注目が集まりました。1番で初ボギーを叩いた金谷プロに対し、2番バーディーの宮里プロが前日の2打差を詰めてトップタイに並びます。
しかし宮里プロは6番ボギーなどその後スコアを伸ばすことができず、一方の金谷プロは、7番で初バーディー、9番ミドルでは昨日に続き第2打を直接カップインのイーグル。「きのうも同じような残り80YをSW(58度)で打ったのですが、2日間連続で同じホールでイーグルは初めて。なかなかないですよ」と本人も驚きのミラクルショットを放ち、ギャラリーから拍手、完成が湧きました。
最終日・第2ラウンドも5アンダーとスコアを伸ばした金谷プロが通算14アンダー・128で完勝!
金谷プロは後半も安定したゴルフを展開し、結果、1イーグル、5バーディー、2ボギーの5アンダー・66、計14アンダー・128で大会史上最少ストロークで優勝を果たしました。第2位タイには前日1オーバー・72でスタートした武藤俊憲プロが、これまた9バーディーを量産するコースレコード62をマークし、計8アンダー・134で38人抜きを達成。最終日は1アンダー・70の宮里プロが同じく8アンダー・134で第2位タイとなりました。
POS | (+/-) | PLAYER | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | OUT | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | IN | 2R |
4 | 4 | 4 | 5 | 4 | 3 | 5 | 3 | 4 | 36 | 3 | 4 | 5 | 4 | 3 | 5 | 4 | 3 | 4 | 35 | 71 | |||
1 | -14 | 金谷 拓実 | △ | ・ | ・ | ○ | ・ | ・ | ○ | ・ | ◎ | 33 | ・ | △ | ○ | ○ | ・ | ○ | ・ | ・ | ・ | 33 | 66 |
2 | -8 | 武藤 俊憲 | ○ | ○ | ○ | ・ | ・ | ・ | ○ | ・ | ・ | 32 | ○ | ・ | ○ | ○ | ○ | ・ | ・ | ・ | ○ | 30 | 62 |
2 | -8 | 宮里 優作 | ・ | ○ | ・ | ・ | ・ | △ | ・ | ・ | ・ | 36 | ・ | ・ | ○ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | 34 | 70 |
『ジュニアや学生とプレーすることで新鮮な気持ちに。子供たちに少しでも影響を与える選手になりたい』
初参戦でコースレコード、大会史上最少ストローク、2日間同一ホールでのショットインイーグルなど記録尽くめで初優勝を飾った金谷プロは表彰式のインタビューで「まずはじめに、このような素晴らしい大会を開催してくださった菊田会長はじめ、大会関係者、事務局の皆さま、ありがとうございました。素晴らしいコースで迎えてくれました表蔵王国際GCの皆さま、朝早くからありがとうございました。プロとして地区オープンに出場するのは初めてでしたが、大会に出場したいと思ったのは、ジュニアや学生の子たちと一緒にプレーできると聞いたからです。初日も高校生の素晴らしい選手とプレーができました。また、子どもたちに少しでも影響を与えられるような、憧れて貰えるような選手を目指してこれからも頑張っていきたいと思います」。
初日同伴した一昨年のチャンピオンで地元の若有宣彦プロ、ジュニアの黒金翼選手は優勝した金谷プロに対し「まるで機械のような正確なショットで、特に縦の距離感が素晴らしかった。18ホールすべてがバーディーチャンスだった。素晴らしい経験ができてとてもうれしい」などと感無量。既に多くの選手に影響を与えているようです。
東北福祉大時代は仙台ではお世話になったという気持ちや、ジュニア、学生のように熱量を持った選手とのプレーで刺激を受けたり、新鮮な気持ちになることなどを理由に参戦を決めたという金谷プロ。地区オープンは初参加ですが「自分自身も小さい時、学生の時にプロの方と回って刺激を受けたという体験もありますので、ゴルフの魅力を感じて貰えるのは嬉しい。また、レギュラーで活躍したシニアの方々、現在レギュラーで活躍している優作さんや、プロを目指してる選手など色んなプロの方が出てる魅力があります」と応えられ「今後も機会があれば地区オープンに出たいですね」と来年参加の意欲も伝えていただきました。今後の金谷プロの活躍に期待し応援しましょう。
初日1オーバー・72で40位タイスタートの武藤俊憲プロが最終日に猛攻を見せました。1、2、3番の3連続バーディーでスタートすると7番で4つ目を奪い前半4アンダー・32。後半は10番、12、13、14番とこの日2回目の3連続を決め、最終18番で9つ目を奪いノーボギーの完ぺきなゴルフで5アンダー・30、計9アンダー・62。トータルスコアも8アンダー・134と38人抜きの第2位フィニッシュとなりました。
「きのうはちょっと良くなかったんですけど、最終日はやっといいゴルフができたので大満足です。グリーンが小さいのでまず乗せること、欲張りすぎないのが良かったのかなと思います。『JCBクラシック』は昔出させてもらったことがあり、あまりいい成績ではありませんでしたが、こうして戻ってこれたこと、きょうのようなプレーができたことは成長の証かと思います。来年も日程が合う限り出場したい」と応えていただきました。
6オーバー・148でベストアマに輝く!
アマチュアはジュニアからミッドシニアクラスまで史上最多の25名が出場し、2日間、プロとのプレーで技術面、精神面など多くを学び自己研鑽の場となりました。25名の頂点に立ったのは6オーバー・148の67位タイで秋田県出身の田口昇馬選手(男鹿GC)、竹花颯汰選手(目黒日大高2年)2名。2024年度のベストアマチュアに輝きました。
2年連続でベストアマに輝いた田口選手は「スコア的には納得していませんが、2年連続で結果を残せたのはうれしいです。初日は宮里優作さん、2日目は宮里聖志さんとラウンドすることができてとてもうれしくてモチベーション高くプレーできました。メンタル面など今後に活かせる内容を学ぶ事ができ出場してよかったです」。高校卒業後は渡米しアイオワウェスタンコミュニティカレッジへゴルフ留学(現在2年生)。2021、2023年の秋田県アマチャンピオン。
中島徹プロの紹介で初参加した竹花選手はことしの埼玉県ジュニアチャンピオン。「初めてのコースで苦戦しました。難しいセッティングで納得のいくプレーができなかったですがこういう経験ができて良かったです。東北の試合も初めてで名門コースで2日間、プロと楽しくプレーすることができました」と笑顔で応えていただきました。
最終日の12番(521Y/PAR5)で中島旺プロが規定打数より3打少ない『アルバトロス』を達成。大会史上初、自身初の快挙を成し遂げました。12番ホールの残り235Yの第2打を5Wで「打った瞬間に完璧だなという感触があった」と手ごたえ十分。「イーグルパットは打てるな」とグリーンへ向かいます。
本人は確認できなかったと言いますが同伴プレーヤーが「1ピン位手前に落ちてきれいに入った」。この日3アンダー・68、トータル7アンダー・135で第4位タイに入りました。「きょうは目立ったプレーがなかったので悔しい内容でしたが、おかげで楽しい1日になりました。今後も頑張りたい」。
ことしも表彰式を開催。武田満事務局長が司会進行を努め、多くの選手が残って優勝した金谷プロ、ベストアマの田口選手、竹花選手両名を祝福しました。
菊田浩之大会会長があいさつ。「本大会にご参加の皆さま大変お疲れ様でした。表蔵王国際GCの関係者の皆さんにおかれましては感謝申し上げます。本大会のはじまりは東北のプロゴルファーを育てよう、東北のジュニア、アマチュアを育てようというものでした。今では東北のみならず、関東・関西からも参加して頂けるようになり、12年間が立ちました。来年も是非来年もご参加いただき、また素晴らしい大会にしていければと思います」。
「優勝した金谷プロはS級だと聞いておりましたが、あまりにスペシャル過ぎたので来年はバックティーの後ろに金谷プロ専用の特設ティーを設けますので、また挑戦していただきたいですね(笑)」。そして参加した選手の皆さんに「プロの皆さまにおかれましては自分の腕を磨くのはもちろん、アマチュア、ジュニアに正しいゴルフ、正しいスイングなどを教えていただきながら、ゴルフ人口の底辺を広げていただいて、ゴルフというスポーツを発展させてください」と語られました。
昨年、PGA東北プロゴルフ会会長に就任した齊藤和人会長が主催者を代表し「ピンポジションは去年の泉国際GCに比べると易しくなったのかなと。その結果、2日間で素晴らしいスコアが出て優勝も決まったように感じております。 事務局の皆さん、競技委員の皆さん、表蔵王国際GCの皆さん、みなさんお疲れ様でした。プロアマ戦とトーナメント2日間ありがとうございました」とあいさつ。
渡邉馨競技委員長が優勝した金谷プロ、ベストアマの田口選手、竹花選手ら成績発表を行いました。また、会場となった表蔵王国際GCの笹川敏幸支配人は「20数年前になりますが『JCBクラシック』を十数年開催し全国からトッププロが集った思い出もありますが、今大会の2日間で14アンダーというスコアに驚いております。コースコンディションに関しては至らぬ点があったかと思いますが、ゴルフ場を代表して皆様に御礼申し上げます。本日はありがとうございました」とあいさつしました。
また、初日9アンダー・62の驚異的なスコアで表蔵王国際GCのコースレコードをマークした金谷プロに対し、同クラブ鈴木賢社長より金一封が送られました。その後、金谷プロが優勝スピーチで地区オープン参加の意義や、ジュニアやプロを目指す選手にエールを送り、大会関係者、表蔵王国際GCに感謝を述べ表彰式を締めくくりました。
ご参加いただいたプロ、アマチュア各選手の皆さま、ご協賛社各位、表蔵王国際GCの関係者の皆さま、競技委員、スタッフの皆さま、ご協力の下ことしも無事終了することができ感謝申し上げます。
また、来年お会いできることを楽しみにしております。本当にありがとうございました。