─────────── プロとアマチュアが集い白熱した3日間が開催!
『宮城オープンゴルフトーナメント』は、東日本大震災翌年の2012年から開催され、コロナ禍のため2020年、2021年は中止となりましたが、2年ぶりに9回目を迎えることができました。快くご支援をいただいた協賛各社はじめ、会場の富谷カントリークラブ、大会関係者、また、参加された選手の皆様のご協力によって、大会を継続することができ、心から感謝申し上げます。
PGA東北プロゴルフ会主催、ことしは会場を富谷CCに移して、初日の5月13日(月)はプロアマチャリティー大会を「地元のプロを応援しよう、被災した東北のジュニアゴルファーに元気を与えよう」という趣旨で開催。午前8時、アウト、イン同時スタートしました。5月14日(火)〜15日(水)は、男子プロ、女子プロを中心に、アマチュア、ジュニアによるスクラッチ競技が行われ、ことしも素晴らしい有意義な大会となりました。
アウトスタートは武藤俊憲プロ組、インスタートは須貝翔太プロ組が優勝!
初日のプロアマチャリティー大会は好天に恵まれ、アマ3名にプロ1名が同伴し全28組、プロ29名、アマ81名(男性73名、女性8名)の合計110名が参加し行われました。団体戦は新ペリア方式、ダブルパーカット、アウト、インスタートの前半のスコアで集計し、4名のネット平均で競いました。
競技の結果、アウトスタートは1組目の武藤俊憲プロチームが優勝しました。武藤俊憲プロが35.4、アマの鷲見泰宏さん36.2、菊田浩之さん37.4、阿部恒司さん37.6。4人平均36.6でした。武藤プロは「ぼくのOB3発が効きましたね」と笑いを誘いました。
武藤プロはレギュラーツアーで活躍中。前日試合が終わり、福岡より仙台に入る強行軍でしたが、「チームワークが良かったのが勝因です」同伴した菊田浩之会長は「武藤プロのお蔭です。2日間練習して優勝することができました。来年もこの試合を盛り上げたい」と語られました。
インスタートは14組目の須貝翔太プロチームが優勝しました。須貝翔太プロ34.4、渡辺広志さん33.8、三原玄さん35.6、服部彰彦さん39.2のネット平均35.7でした。チームの選手たちは「天気が良く、プロに引っ張ってもらいながら、気持ちよくプレーできました。チームワークはいまいちでしたね」と笑顔で応えてくれました。
プロの部は加藤プロが3アンダー・69で優勝しました。出場はことしで4回目。「アマチュアの方と楽しく回っていたので、スコアは気にしていませんでした。終わりの方で(ナビを見て)気付いたら上の順位にいるなって。グリーンが綺麗で、パターを打ちたい方にちゃんと打てば転がる。ただ、コースが狭いところもあり、戦略性の高いコースだと思いました。この流れに乗って明日から優勝目指して頑張りたいです」と語りました。
加藤プロは宮城県出身、26歳。亘理高校卒業。名取ゴルフガーデン、宮城野GCを経て、アローエースGC(栃木県)所属です。
トーナメントは2日間、36ホールストロークプレーで熱戦を展開。プロ115名、アマ13名、合計128名が参加。良好なコースコンディション。難易度が高く難しいセッティングでしたが好スコアが続出しました。若有宣彦プロ(フリー)が9バーディーを奪う快進撃で、7アンダー・65をマーク。2位に1打差をつけて単独首位に立ち、2位は佐藤圭介(フリー)が6アンダー・66、3位は高田聖斗(マキイ産業)が5アンダー・67などハイレベルな闘いが繰り広げられました。
最終日は梅雨入り後の雨が心配されましたが、幸いなことに曇で強風も吹かず、上々のコンディションで行われました。初日トップの若有プロは前半パットに苦しみますが、後半猛チャージ。12番のバーディーを皮切に、14番ではピン下5Mを沈め、続く15番ロングで連続バーディーを奪って10アンダーまでスコアを伸ばし優勝を確信。終盤の17番、18番でもバーディーを重ねて通算12アンダーとし一度も首位を譲ることのない完全優勝で初の栄冠に輝きました。
「地元で大きなプロの試合があると聞いて力を入れて練習しました。何回も練習ラウンドに来てコースマネジメントを立て、狙った通り優勝することができました。今まで応援してくださった方々にいい報告ができるのが一番うれしいです」と感謝の気持ちを表しました。勝因は「2日間ともパッティングが良かったことです。ピンの位置は難しかったですが、ミドルパットが入ったから、12アンダーというスコアが出たと思います」とパットの好調さが勝利に結びついたことを強調しました。
若有プロは仙台市出身の22歳。中学時代に富谷CC開催の高ゴ連の主催競技で優勝。東北ゴルフ連盟の強化指定選手にも選ばれました。新潟県の開志国際高校に進学。3年ではレベルの高い関東の大会で団体優勝のメンバーでした。
高校卒業後、米国の大学に留学。ゴルフ部に所属し、チームの一員となりました。「人種の違いを体験し、人間性が変わるきっかけをつかみました。自分がずぶとくなりました。アメリカ人は個性的で人に優しく、友達になってくれました。今後はプロゴルファーとしてQTに挑戦し、将来はツアーメンバーになりたいです」と将来の夢を語りました。
どんなプロになりたいかとの問いには「一人の人間として、アメリカの経験を活かして、大きな心を持ったプロになりたい」とヒューマンな希望を吐露しました。ベストスコアは64。得意なクラブはドライバーで、飛距離は290ヤードの飛ばし屋。将来が楽しみです。
上位陣では7アンダーの2位に入った阿部裕樹プロ(フリー)。アマ時代に国体、日本アマで日本一に輝き、その後プロ宣言。母校の監督を努めながらツアーで闘い徐々にレベルアップ。JGTOツアー2020-2021パーオン率1位の的確なショットで賞金ランク62位と初シードを獲得した遅咲きの33歳。
今回、多忙なスケジュールにもかかわらず出場してくれた武藤俊憲プロ(フリー)は、3アンダーの10位タイに入りました。2006年の「マンシングウェアオープンKSBカップ」で初優勝。2019年の「パナソニックオープン」で4年ぶりの7勝目。これが40代初勝利でした。2022年の賞金ランキングはシード圏内の41位につけています。
6アンダーの3位タイにはプロ4年目の徳永弘樹プロ(サンヒルズCC)、ベテランの岡茂洋雄プロ(鷹の巣GC)、当トーナメント主催でPGA東北プロゴルフ会会長の相澤敏弘プロ(フリー)が並び、若手、中堅、シニア勢がそれぞれ活躍して2022大会を盛上げました。
また、2019年に今大会で優勝した内藤寛太郎プロはQT21位で臨んだ昨シーズンで初戦の「フジサンケイクラシック」で初トップ10となる7位に入るなど絶好のスタートを切り、39歳でシード選手の仲間入りを果たしており、当トーナメントから多くの選手がツアーで活躍しています。
アマチュアはジュニア5名(男子3名、女子3名)、女子1名、シニア2名、一般5名の13名が参加。勝田兵吉選手(太平洋御殿場)が76、80、156。12オーバーの96位タイでベストアマに輝きました。勝田選手は義弟で宮城にゆかりのある東北福祉大卒の大塚泰三プロの紹介で今回初出場。箱根CCクラチャン12回、日本ミッドアマ選手権出場など関東のトッププレーヤー。
「はじめてのコースでレイアウト、グリーン、ピンポジション共にとても難しかったですが2日間楽しくプレーさせていただきました。ベストアマ大変うれしいです。来年も参加したいですね」と応えてくれました。
長引くコロナ禍の影響で、レストランでの表彰式は行わず、競技終了後、クラブハウス正面玄関前の駐車場で、賞金の授与がありました。
冒頭、菊田浩之大会会長が挨拶。「優勝者は素晴らしい成績で優勝されました。皆さんもいい成績を出していただいたと思います。来年は10回目の記念大会となり盛り上げて行きますので、よろしくお願い申し上げます」と述べました。
続いて、富谷カントリークラブの経営母体・河北ランドの植村裕社長が挨拶。「プレーをしていただき、ありがとうございました。コースはいかがでしたでしょうか。3月の地震でがけ崩れやグリーンのアンジュレーションが変わるなどの被害がありましたが、コースをいい状態にしたいと整備してまいりました。是非これからもこのコースでプレーを楽しんでいただきたいと思います」と開催コースの立場から感謝の意を表しました。
また、主催者を代表し、PGA東北プロゴルフ会相澤敏弘会長は「菊田会長にはすごく支えていただきました。10回大会も皆さんのご協力をいただいて開催したいと思います。よろしくお願い申し上げます」と語りました。その後、渡邉馨競技委員長が成績発表し賞金授与が行われました。
なお、この大会は武田満事務局長(ニチニチ製薬株式会社東北支社長)の発案で、ゴルフを通して災害の復興を目指しております。また、ことしもジュニア育成のために東北ゴルフ連盟、宮城県ゴルフ連盟に寄付させていただく予定です。コロナ禍で2年間、開催中止を余儀なくしておりましたが、ご支援いただいた協賛各社、開催コースの富谷CCはじめ、ご参加のプロとアマチュアの選手、関係者、スタッフの皆さんのご協力により、第9回大会を無事終了することが出来ました。ありがとうございました。