
プロとアマゴルファーが宮城オープンゴルフトーナメントで楽しくプレー
『宮城オープンゴルフトーナメント』は、東日本大震災翌年の2012年から開催され、今年で8回目を迎えました。参加された選手の皆様、快くご協力をいただいた協賛各社のご支援で、毎年盛大に大会を継続することができ、心から感謝申し上げます。今年度は会場を杜の公園ゴルフクラブに移して、初日の5月6日(月)はプロアマチャリティー大会で「地元のプロを応援しよう、被災した東北のジュニアゴルファーに元気を与えよう」という趣旨で開催しました。
プロアマチャリティーは全ホールショットガン方式で午前7時30分に同時スタートし、ラウンド時間短縮を図りました。5月7日(火)〜8日(水)は、PGA東北プロゴルフ会の主催で男子プロ、女子プロを中心に、アマチュア、ジュニアによるスクラッチ競技が行われ、今年も素晴らしい有意義な大会になりました。
初日のプロアマチャリティーゴルフ大会は雷雨が心配されましたが、何事もなく無事終了できました。原則としてアマ3名にプロ1名が同伴してラウンドレッスンを行う試合形式で、アマ114名、プロ38名、合計152名が参加しました。アマは新ペリア方式、ダブルパーカットで18ホールストロークプレーを楽しみました。今年度からアマの個人表彰はなく、プロのグロススコアとアマ3名のうち上位2名のネット合計スコアで競う団体戦に変わりました。
競技の結果、相澤敏弘プロチームが216.4で優勝しました。スコアの内容は相澤敏弘プロがグロス71、アマの鈴木一志さんネット76.8、安孫子武彦さん72.6、伊藤英実さん72.8、上位2名の合計145.4、総合計216.4でした。表彰された後、アマの伊藤英実さんが代表して挨拶しました。勝因は相澤プロが1アンダー71でプロの部2位タイに入る好成績とアマの上位2名がパープレーに近い好ネットスコアをマーク。チームワークの良さで、参加38チームの頂点に立ちました。2位は井上信プロチームが219、3位には吉田藍子プロチームが221.2で入りました。
プロの部は崎山プロが35、34、69の好スコアで2位に2打差をつけて優勝しました。1番ティからスタート。アウトは1、7番でバーディ、3番ボギーの35。インは12、13番で連続バーディを奪い34にまとめました。長い交流のある相澤敏弘プロから参加の誘いを受け初出場しました。優勝の挨拶で「震災から8年が過ぎましたが、ゴルファーの皆さんにプロとして元気を与えられました。まだ大変な所もあるようですが、元の状態に戻られるように願っています。プロとしてお力になることがあれば協力したい。素晴らしいコースでいいゴルフができたと思います」と優勝の喜びを語りました。
また「初めてのコースで、風の計算が読めませんでした。地形のせいかもしれません。明日は抑えてプレーします。プロアマチャリティーが盛り上がり、アマの皆さんのプロを支える意識の高さ、アマの組数が多く、地元意識を感じました。来年も参加したいですね」と大会の開催を高く評価していました。
崎山プロは1962年生まれの56歳。愛媛県出身。八幡浜市立八代中卒。30歳の1992年プロ転向。ツアー時代は賞金ランク85位になった98年が最高。2013年からシニアツアーに参戦し、予選会を勝ち抜いて出場した開幕戦の金秀シニア沖縄オープントーナメントでいきなり優勝しました。翌年は未勝利ながら賞金ランク9位。翌15年には12戦4勝という急成長を見せて、注目を集めました。賞金王の座は室田淳プロに逆転で奪われましたが、米シニアツアーのQTに挑戦するなど上昇志向は高く、今後の活躍が期待されています。通算の勝利数は7勝です。
プレー終了後、表彰式が行われ、大会会長の菊田浩之菊田陶業(株)代表取締役社長が挨拶。「本日は沢山の方々のご参加をいただき、ありがとうございました。この大会では東北のジュニア育成のために、東北ゴルフ連盟に基金を寄付しています。今年は宮城県ゴルフ連盟にも寄付いたします。また、多くのご協賛をいただき、感謝申し上げます。第8回大会は杜の公園ゴルフクラブ様にお願いし、素晴らしいコースでいいプレーができたと思います。5月7、8日に行われる宮城オープンゴルフトーナメントでは、優勝賞金を50万円増額し、150万円としました。来年も大会を開きますので、よろしくお願いいたします」と述べました。
続いて、杜の公園ゴルフクラブの佐藤壮士支配人が歓迎の挨拶を行いました。「去年、菊田会長さんから大会の開催についてご依頼がありました。東北プロゴルフ会の相澤会長をはじめ皆さんのご協力でこのようなコースができました。明日からはプロの試合になります。本日は大変ありがとうございました」と語りました。
表彰式は武田満事務局長の司会で行われました。アマの表彰では、ニアピン、ドラコンのアトラクションから始まり、団体戦の下位から上位へと表彰を盛り上げました。今年も協賛各社から数多くの協賛品が集まりましたが、武田事務局長は「来年はさらに充実させるので、協賛をよろしくお願いします」と呼びかけました。
最後に東北プロゴルフ会相澤敏弘会長が閉会の挨拶を行いました。「ゴルフスタッフの皆さん、ご苦労様でした。沢山の協賛各社の皆様にも厚く御礼申し上げます。宮城オープンも第8回を迎えることができました。体調管理を良くして、試合に臨んでほしいと思います。来年も大会を開きますので、よろしくお願い申し上げます」と結びました。
ことしからトーナメントは2日間となり、優勝賞金は100万円から50万円アップの150万円に増額されました。初日はプロ76名、アマ16名、合計92名が参加。18ホールストロークプレーを行いました。気温が低く強風が吹いて、選手はスコアメイクに苦労しました。内藤貫太郎プロ(NKグループ)が唯一のアンダーパーで回り、2アンダー70で2位に3打差をつけて単独首位に立ちました。8番ショートホールは6番アイアンで奥3m、13番ミドルは残り100ヤードを52度で10mに乗せ、フックして最後にスライスする難しいラインを沈めて2つ目のバーディ。ノーボギーのナイスゴルフでした。
初日のラウンドについて「風、ピンポジション、条件は難しいけど、みんな一緒ですから、我慢しながらやりました。昨日練習ラウンド(プロアマ)ができなかったので、コースはまったく知らなかったが、それが逆に良かったです。見えているところに安全にと考えていたので、変な欲を出さずに無理に攻めないで、パットも段の下から狙えばいいかなと思っていました」と振り返りました。
パーオン率は「7割近く、外れたところもしっかりパーをセーブできていますし、ボギーを打たなかったところが大きかったですね」。好スコアの要因は「ショットは良かったと言えば良かったですけど、ミスはしていますから、それ以上にパーセーブができていますし、ボギーを打たなかったところが大きかったですね」。明日に向けては「どんなコンディションになるかわからないけど、ピンポジションは難しいと思うので、あまり欲を出さずにこなしていければいいかなと思います」。日大郡山高、東北福祉大卒、郡山在住。
2位は須貝翔太プロ(山形GC)が73、3位は平石武則プロ(北六甲CC)74、4位は松本将太プロ(杜の都GC)、小林克也プロ(武蔵CC)、鈴木豪プロ(フリー)が75でした。通算12オーバー、54タイまでの61名が決勝ラウンドに進出しました。アマでは木村美月選手(18歳、西武台千葉高卒)が78の14位タイで予選を通過しました。
最終日の宮城オープンゴルフトーナメント決勝ラウンドは60名が参加、18ホールストロークプレーを行いました。暖かい陽光に恵まれましたが、やはり風が強く、戦略性に富んだピンポジションもあって、スコアは伸びませんでした。初日単独首位に立った内藤寛太郎プロは慎重なプレーを展開しました。2番ボギー、3番ダブルボギー、5番ボギーと出遅れましたが、6番ミドルの残り100ヤードから52度で1mにつけるナイスショットで初バーディを奪うと、続く7番ロングでも100ヤードから同じく52度で2mに寄せ、連続バーディを決めて立ち直りました。9番をボギーとしたもののアウトは39。インは16番のボギー一つに抑え37の4オーバー76。通算2オーバー146で2位に2打差をつけて逃げ切りに成功、初優勝を飾りました。
「優勝できてうれしいです。このコースは何があるかわからないので、最後まで我慢できたのが良かった」と優勝の喜びを語りました。どんな戦略でプレーしたかについては「今日はアンダーパーで回りたかったが、無理して攻めないで、バーディチャンスがあれば取れればいいかなと考えました」と手堅くプレーしたのが勝因でした。本大会は毎回出ていたわけではなく、3回ぐらい参加しましたが、予選は通っても目立った成績は挙げていません。「これをきっかけにして、いいプレーをして行きたい」と気持ちを新たにしました。
内藤プロは1982年5月20日生まれの33歳。14歳からゴルフを始め、福島県の日大東北高校から東北福祉大に進み、2年先輩の宮里優作、岩田寛らがいる中で腕を磨きました。
2006年プロテスト合格。2008年、予選会を突破して出場したチャレンジトーナメントの「静ヒルズトミーカップ」で優勝。同年は賞金ランク7位に入り、2009年はツアーに参戦しましたが、シードに届きませんでした。11年はアジアンツアーに参戦し、最高順位は8位。2013年にはチャレンジで2勝目を挙げました。2017年はQTでファイナルに進み、2018年はAbemaTVツアー最終戦の「NoviFINAL」でプレーオフに進出。6ホールの激闘の末、河野祐輝プロに敗れました。今後の挑戦が楽しみです。
2位は鈴木豪プロ(フリー)が4オーバー148、3位永澤翔プロ(ダイワロイヤルゴルフ)が7オーバー151、4位は川合昇平プロ(泉国際GC)が8オーバー152、5位には相澤敏弘プロ(サインズ)ら6名が9オーバー153で入りました。
ローアマチュアは木村美月選手(18歳、西武台千葉高卒)が78、75の9オーバー153で獲得しました。「耐えるゴルフでした。ピンポジションが難しく、攻めるよりも手堅くプレーしました。アプローチとパター勝負でうまくいきました。ドライバーをいい位置に置いて、アプローチにつなげました」とローアマチュア獲得の喜びを語りました。
中学まではソフトボールの選手。高校入学後ゴルフを始め、めきめきと上達。昨年8月のヨネックスジュニアチャンピオンシップ(新潟県、ヨネックスCC)では、高校女子の部で優勝し、ことしのLPGAツアー・ヨネックスレディスゴルフトーナメント(6月7〜9日、ヨネックスCC)に出場することが決まっています。また、同年5月8日に鎌ケ谷CCで行われた千葉県ジュニア選手権高校女子の部で、雨中にもかかわらず39、32、71で回り、初優勝を飾りました。
木村選手に同行した師匠の樫本剛平プロ(ゴルフ練習場JGRA・JGTO日本ゴルフツアー機構ツアー会員)によれば、「木村さんはピンに向かって真っ直ぐに攻めて行くタイプで、逃げない性格です。だから、ケガもするが、プロ向きだと思います」と将来性を高く評価していました。元ソフトボールの選手だけに、ドライバーの飛距離は240ヤード。現在、アルバイトをしながら、プロテスト受験の準備を進めています。
東北プロゴルフ会相澤敏弘会長が挨拶
表彰式は武田満事務局長の司会で始まり、菊田浩之大会会長が挨拶。「昨日は風が強かったが、今日はコンディションが良かった。成績がいい方もそうでない方も、この経験を生かしてほしい」と前置きして、「この大会は8回目を迎え、ゴルフを通して災害の復興を目指してきました。また、ジュニアゴルファーが減っていますが、収益をジュニア育成のために東北ゴルフ連盟、宮城県ゴルフ連盟に寄付し、ジュニアの底上げを図りたい。プロの皆さんもジュニアのレッスンをしておられるでしょうが、ジュニアゴルファーを増やしていただきたい」と要望しました。
この後、開催コースの杜の公園GCに感謝し、全国から参加して大会を盛り上げた選手にも謝意を表して「来年も開催するので、参加していただきたい」と語りました。最後に「ルール改正があり、楽しくプレーできるように、渡邉馨競技委員長をはじめ競技委員の皆さんにも立ち会っていただきました」と礼を述べ、プロ、アマ、ゴルフ場の発展を祈りました。
開催コース・杜の公園GCの佐藤壮士支配人が挨拶。「風のない日にやりたかったが、プロのプレーは勉強になりました。ことしは9月に開場25周年を無事迎えることができます。プロの皆さんはまた杜の公園にお出かけください」と話しました。渡邉競技委員長の成績発表と表彰、優勝した内藤寛太郎プロとローアマチュアの木村美月選手のスピーチがあり、最後に東北プロゴルフ会相澤敏弘会長が閉会の挨拶を行いました。開催コースの杜の公園GCと武田満事務局長をはじめスタッフに感謝し、遠方から参加して5位に入ったシニアの平石武則プロ、アマプロチャリティーで優勝した崎山武志プロを労い、来年の参加を促しました。女子プロの皆さんにも感謝し、大会を無事終了しました。
「おらほのプロを応援しよう」
「被災した東北のジュニアゴルファーを応援しよう
「被災した東北のゴルファーに元気を与えよう」
2019年も「宮城オープンゴルフトーナメント」の開催が決定しました。来春、5月6日(月)〜7日(水)の3日間、宮城県柴田郡川崎町にある杜の公園ゴルフクラブでの開催が決定となり、初日にプロアマチャリティー大会、本戦トーナメントは2日間・36ホールストロークプレーとなり、賞金総額500万円、優勝賞金150万円とさらにパワーアップして益々白熱した闘いが予想されます。開催の模様は同ホームページで詳細に掲載いたします。お楽しみに!