2012年度から開催を続けている「宮城オープンゴルフトーナメント」は今年で6回目となり、年々参加者増もあって毎年スケールアップし大盛況のプロトーナメントとなっています。
今年度は会場を杜の都ゴルフ倶楽部に移して7月17日(月)〜18日(火)の2日間、開かれました。開催テーマは「おらほのプロを応援しよう、被災した東北のジュニアゴルファーを応援しよう、被災した東北のゴルファーに元気を与えよう」。
昨年よりPGA東北プロゴルフ会の主催となって、初日はプロとアマがプレーするチャリティー大会。2日目は男子プロ、女子プロを中心に、シニアプロ、アマチュア、ジュニアによるスラッチ競技が行われ、2日間で素晴らしいゴルフトーナメントになりました。
初日のプロアマチャリティーゴルフ大会は、初夏の好天に恵まれて絶好のコンディション。原則としてアマ3人にプロ1人が同伴しラウンドレッスンを行う試合形式で、アマ94人、プロ32人、合計126人が参加しました。アマは新ペリア方式、ダブルパーカットで18ホールストロークプレーを楽しみました。競技の結果、アマは佐々木隆之さんが44、45、89(18.0)71.9で優勝しました。佐々木さんは所要のため表彰式を欠席しました。
準優勝は松川実さんが42、40、82(10.8)71.2で入りました。「ドライバーが良かった。同伴のメンバーにも恵まれました」と喜んでいました。ゴルフ歴は8年、57歳。「この大会は初めて参加しましたが、準優勝できて良かったです」と満足そうでした。杜の都GCの年間会員として、日頃からこのコースでプレーを楽しんでいるようです。3位は小川尚子さんが44、44、88(16.8)71.2。ベストグロスは立石博政さんが36、35、71の好スコアをマークしました。
プロの部は土屋陽平プロが34、31、65の快スコアで2位に5打差をつけて優勝しました。アウトは7、8番連続バーディの34。インは10番から13番まで4連続バーディ、16番で唯一のボギーを出しましたが、15、18番でもバーディを奪い、6バーディ、1ボギー31と圧巻のゴルフでした。
「パターが良かった。10メートルぐらいのロングパットが3つぐらい入りました」。東北高校ゴルフ部の出身で、卒業後8カ月間は杜の都GCで仕事をしていたそうで、「コースはよく分かっています」と満面の笑顔。まさにホームコースで優勝したようなものです。プロ入り後10年。現在はQTを目指して精進の毎日です。この大会は毎年参加。昨年はプロの本戦で2アンダー70の5位タイでした。 2位は佐藤翼プロが35,35、70。3位には71で5人が並びましたが、マッチング・スコアカード方式により高橋秀樹プロが入りました。
プレー終了後、表彰式が行われ、宮城オープンゴルフトーナメントを主催する東北プロゴルフ会の新関善美会長が挨拶。「本日はレギュラーツアーで一緒にまわった野上貴夫プロなども参加してくれてうれしく思いました。この大会の趣旨は東北のプロゴルファーを盛り上げることです。宮城オープントーナメント菊田浩之大会会長には大変お世話になっています。東北でレギュラーツアーのトーナメントを是非宮城県で開催してほしいと思います。東北プロゴルフ会としても応援していきたい」と語りました。
続いて、今年度から開催コースとなった杜の都ゴルフ倶楽部の松木伸一郎理事長が挨拶。「宮城オープンゴルフトーナメントを当倶楽部で開催していただき、ありかとうございます。当倶楽部では男子プロの大会を開いていましたが、10年前に打ち切っておりました。しかし、東北の地で男子プロの試合を何とかできないかとジャパンヘルスサミットのオーナー島川隆哉社長が切に熱望して、仙台杜の都チャリティプロアマトーナメントを開催することになりました。来月3日から予選も始まります。
コースもさらに厳しく整備できるのではないかと思います。この宮城オープンの上位5位までの選手には出場資格が与えられます。七夕シリーズとして定着できればと考えています。皆様方のご協力が必要となりますので、どうぞよろしくお願い致します。今後とも当ゴルフ場をバックアップしていただければと存じます」と述べました。
表彰は武田満事務局長の軽妙な司会でが行われました。ニアピン、ドラコンのアトラクションから始まり、下位から上位へと表彰を盛り上げました。協賛各社やプロゴルファーなどからも数多くの協賛品が寄せられ、ジャンケン大会で品物を配る企画がことしも受けて、会場は大いに盛り上がりました。なお、大会収益金の中から、チャリティ基金として被災したジュニア育成のため、東北ゴルフ連盟に寄付することにしています。
2日目の宮城オープンゴルフトーナメントはプロ79人、アマ9人の合計88人が参加して、午前8時スタート。18ホールストロークプレーを行いました。夜来の雨は朝ほとんど上がりましたが、午後から雷雨に見舞われ午後1時15分にプレーを中断。しかし、午後1時45分には移動を開始してプレーを再開。無事競技を終了することができました。
新鋭からベテランまでのプロ同士が激突するなかで、三木龍馬プロ(RyomaMIKI)がアウトコースの7、9番で2バーディを奪い2アンダー34。インコースに入り7番までパーをセーブ。17番(227ヤード・パー3)は5番ウッドで2メートルにつけバーディ。18番パー5は第2打の残り216ヤードを3番アイアンでナイスショット。右のグリーンエッジからピンに近い5メートルに寄せてイーグルトライ。ボールはラインに乗りましたが、雨を含んだ重いグリーンのためにわずかにショート。バックナインも34の4アンダー68でホールアウト。 本人は「18番でイーグルを取りたかった」と悔しがっていました。68では勝てないと思ったそうです。「パターが良く入った」ことが初優勝の要因でした。「今日はピンポジションが難しかった。ピンの近くにつけたときはカップに届くように攻め、ロングパットは無理しないでパーを取るようにしました」と緻密な計算が奏功しました。
1990年12月3日生まれの26歳。父の仕事の関係でアメリカのサンフランシスコ、ニューヨーク、オランダなどの海外で育ちました。父の影響で13歳からゴルフを覚えました。小学6年のときに帰国。埼玉平成中学ゴルフ部に入りました。アマチュアでは駒沢大学時代に日本学生18位が主な成績。2013年にプロ転向。ベストスコアは71。
昨年はファイナルQTまで残り、成績は151に終わったものの少しずつステップアップしてきました。これまで埼玉オープン、DOCUPS(ドウカップ)優勝。「ショットが悪かったので、パターの練習をよくしました。最近はショットが良くなり、好調のパターとともにいい成績が挙げられたと思います」。愛用のパターはスコッティキャメロン。9年間使っています。ドライバーとアイアンはアキラADRプレミアム。こちらも大学時代から使いこなしています。
1日の試合で優勝賞金100万円をゲット。杜の都仙台チャリティプロアマトーナメント2017の出場資格も獲得。171センチ、68キロと小柄ですが、シャープなスイングと得意のパター、一歩ずつ着実に進むプロゴルフ人生が楽しみです。
準優勝は35、34、69の3アンダーで中島徹プロ(信濃GC)。インコースからスタート。15、18番でバーディを奪いました。アウトコースは4番でボギーを叩きましたが、5、9番でバーディを取り返し、首位に1打差の2位でした。「初めてのコースだったので、集中してプレーができました。パターが良かった。4番のボギーは3パットでしたが、いいのも悪いのもパターがすべてでした」と好調なパッティングで、2位の賞金50万円を獲得しました。
中島徹プロは1984年6月11日生まれの33歳。山梨県出身。身長175p、体重7s。10歳からゴルフを始め、早稲田大学卒業。2007年プロ転向。ツアーデビュー戦は08セガサミーカップ。ベストスコアは70(2015フジサンケイクラシック1R、3R)。アマ時代の主な戦歴は全日本パブリックアマ選手権優勝。昨年のファイナルQT16位でレギュラーツアー参戦する一方、「杜の都仙台チャリティプロアマトーナメント2017」の出場権も手中に収めました。「このような大会に出場することができて光栄に思います。ツアーでシードを取るのを目標にがんばります」と抱負を語っていました。
3位タイには通算2アンダー70で出石幸喜プロ、横山崇プロ、上野藍子プロの3名が入りました。上野藍子プロはインコースからスタートして2バーディ、1ボギー。アウトコースは3バーディ、2ボギーにまとめました。「ゴルフの内容が良かったですね。チップインが1回あり、ラッキーでした。長いパットも入りました。やりたいことができたので、上出来でした。前日の試合で7アンダーが出たので、少しでも賞金を稼ぐためにバーディを取ろうとプレーしました」。この大会は高橋美保子プロの紹介と菊田浩之大会会長の支援で参加しました。
徳島県徳島市出身。香川県の香川西高校卒業。現在は東京在住。1983年8月1日生まれ。2006年7月27日にプロテスト合格。2006年8月1日、日本女子プロゴルフ協会入会(78期生)。11歳からゴルフを始め、師弟関係は米田貴、今堀りつ。戦歴はステップアップツアーの06セオリーゴルフ5東建フルキャストカップ優勝。06LPGA新人戦加賀電子カップ優勝。最近は7月13、14日のステップアップツアー・ANAPRINCESSCUP13位など。
ローアマは高橋大輝さん(20)が37、35のパープレー72で輝きました。全体で10位の好成績でした。インコーススタートで12、16番バーディ、15番ボギーのイン35。アウトコースに入り、4番でバーディ、7、8番ボギーの37でした。ニューマンダニエル、すし石松プロとラウンドし、貴重な体験をすることができました。「ドライバーよりもアイアンショットが良かった」のがローアマ獲得の要因になったそうです。
福島県出身。野球が強いことで有名な聖光学院に入学しましたが、ゴルフ部がなく、高校1年から独力でゴルフに打ち込みました。現在はアマチュア枠があって参加できるATPツアーなどに出場して技術を磨いています。アマとしてQTにチャレンジし、ツアー出場を目指して精進しているユニークな青年です。セカンドアマは宝泉研輝さんが36、37、73。サードアマは高橋黎さんで41、39、80でした。ジュニアは4人が参加し、プロとラウンドして貴重な体験をしました。
表彰式は武田満事務局長の司会で始まり、大会会長の菊田陶芸(株)菊田浩之代表取締役社長が挨拶。「ゴルフを愛するゴルファーの皆さんが一同に会し、プロアマチャリティゴルフ大会と宮城オープンを開催することができました。6回目を迎えた今年の大会からコースを替えることになりました。8月にトーナメントを開催するこのコースに多くの皆さんのご参加いただき、感謝申し上げます」と謝意を表しました。 p> 続いて「ジュニアの皆さんはプロと一緒にまわれるように、将来はプロになっていただきたい」と励まし、コース整備やボランティア、渡邉馨競技委員長をはじめ競技委員の協力に感謝しました。最後に「この大会に参加された皆さんはアマチュアゴルファーの底辺を広げ、見本となるような振る舞いをしていただきたい。ゴルフを楽しめる場を作りたいと思います。来年も皆さんにご参加いただきますよう、お願い致します」と語りました。
この大会を主催する東北プロゴルフ会の新関善美会長は「相澤敏弘副会長、長谷川崇副会長が会の運営を支えてくれています」と協力体制を強調。「ぼくもゴルフ歴39年になるが、今日は先輩の小川清二プロにお会いできてうれしかった」と74歳の長老の参加を讃えました。
続いて、1988年のミズノオープンで初優勝した思い出を語り「私が優勝したのはプロ10年目でした。チャンスは平等にくる。優勝できる準備ができているかどうかです。それを使って優勝するのです。あきらめないでプロとして勝てることを信じてがんばってください。来年も皆さんの元気な姿を見たいので、よろしくお願いしたい」とツアー優勝の経験を披露する感動的な挨拶でした。
続いて、渡邉馨競技委員長が講評と成績発表を行い表彰に移りました。ローアマの高橋大樹選手を表彰した後、三木龍馬プロに優勝杯と優勝賞金100万円が贈られました。準優勝の中島徹プロに賞金50万円、3位の上野藍子プロには賞金25万円が贈られました。ローアマの高橋選手とプロ上位3選手が大会の感想や抱負を語り、2日間にわたる大会を無事終了しました。
大会事務局長の武田満さんは「プロやゴルファーの皆さんの協力で安心して大会運営を進めることができました。協賛者も増えて、チャリティゴルフの輪が広がっています。来年もさらに充実させていきたい」と話していました。この大会はジュニア育成を趣旨に掲げており、東北ジュニア選手権(7月26〜27日)の会場(松島チサンCC)で武田さんから東北ゴルフ連盟の後藤博城事務局長にチャリティ基金を寄付しました。