例年開催されている「宮城オープンゴルフトーナメント2016」が7月18日(月)〜19日(火)の2日間、おおさとゴルフ倶楽部で開かれました。
初日は「おらほのプロを応援しよう、被災した東北のジュニアゴルファーを応援しよう、被災した東北のゴルファ−に元気を与えよう」という趣旨で、プロとアマがプレ−するチャリティ−大会。
2日目はPGA東北プロゴルフ会主催でプロ、女子プロを中心に、アマ、ジュニアによるスラッチ競技。5回目の今年は2日間とも夏の好天に恵まれ、素晴らしいゴルフトーナメントになりました。
初日のプロアマチャリティーゴルフ大会は、原則としてアマ3人にプロ1人が同伴しラウンドレッスンを行う試合形式で、アマ89人、プロ30人、合計119人が参加。アマは新ペリア方式、ダブルパーカットで18ホールストロークプレーを楽しみました。競技の結果、アマは斉藤亮一さんが51、46、97(27.6)69.4で優勝しました。斉藤さんは所要のため表彰式は欠席しました。
準優勝は三浦義美さんが46、41、87(16.8)70.2で入りました。「ドライバーが曲がらなかった。同伴の鷲尾茂彦プロから指導していただきながらプレーしました。それが良かったと思います」と満面の笑みを浮かべていました。ゴルフ歴は25年。「本格的にゴルフに取り組んだのはここ10年ぐらい。このコースのメンバーになってから。初めての大会に出て、準優勝ですけど、うれしいですね」と喜んでいました。
ベストグロスはレディスの中島美雪さんが33、35、68の好スコアで獲得しました。彼女のスコアが発表されると、会場の参加者たちはは拍手喝采でそのナイスゴルフを称えていました。スコアの内容は5バーディ、1ボギーのトータル通算4アンダー。「パットが良かったですね。初めて参加しました。68は自己ベストです」。ゴルフ歴15年。常盤木学園高校時代にゴルフに打ち込んだそうです。
プロの部は相澤敏弘プロが33、34、67の好スコアで2位に2打差をつけて優勝しました。 6バーディ、1ボギーの安定したゴルフ。「ショットが良かった。インからスタートして34の後、アウトに入ると1番から3番までOKバーディでした。パターが入ったら、もっといいスコアか出たかも知れない」と手応えは十分だったようです。「強敵がいっぱいいるので、明日の本番で頑張りたい」と意欲を見せていました。
1967年3月21日生まれ。宮城県出身。東北工大高校卒。20歳からゴルフを始めました。1997年9月からツアープレーヤー転向。レギュラーツアー、チャレンジトーナメント出場。 日本プロゴルフ会(PGA)会員、東北プロゴルフ会副会長。「今年から宮城オープンゴルフトーナメントを主催します。今後ともプロ会で頑張っていくので、応援よろしくお願いします」。地元のプロとして数多くのアマチュアを指導してきました。「きょうもレッスンした生徒がたくさん参加していたので、いいスコアで回れて良かった」と笑顔を見せていました。現在49歳。シニアツアーで活躍をとの声も。「成り行きにまかせます」。
プレー終了後、プロアマ戦の表彰式が行われました。宮城オープンゴルフトーナメント事務局長の武田満さんによれば、ことしはさらに協賛金が増え、2日目の宮城オープンゴルフトーナメントの優勝賞金は、昨年の50万円から初めて100万円の大台にアップしました。協賛金は1口1万円。武田事務局長は協賛企業を紹介し、来年も企業、個人の協賛金・協賛品の提供をお願いしました。
今年から宮城オープンゴルフトーナメントを主催するPGA東北プロゴルフ会(新関善美会長)を代表して、幹事の天野利之プロが挨拶。冒頭、新関会長が日本プロゴルフ協会(PGA)の理事会に出席するので、本大会を欠席することをお詫びしました。天野プロは「今年からこの大会を主催させていただきます。昨年までアマチュアだけではなく、プロ、女子プロ、ジュニア、そして県外からのプロの方々も参加していただいています。これもアマチュアの皆さんのお陰であり、ありがとうございます。これからも盛大に開催していきますので、よろしくお願い申し上げます」と語りました。
その後、宮城オープンゴルフトーナメント武田事務局長の軽妙な司会で表彰式が行われました。ニアピン、ドラコンのアトラクションから始まり、下位から上位へと表彰を盛り上げました。
今年からPGA東北プロゴルフ会の主催となり多くの協賛各社が集まりました。また、プロゴルファーなどからも数多くの協賛品が寄せられ、プロアマ戦でのジャンケン大会で品物を配る企画がことしも受けて会場は大いに盛り上がりました。
特に、ゴルフクラブをはじめ、たくさんの協賛品を寄贈してくれたすし石垣プロには、武田事務局長からワインが贈られ、会場は大いに沸きました。また、被災したジュニアゴルファー達のために役立てて欲しいと例年続けているチャリティーを今年も行う事を賛同いただきました。プロアマ大会収益金の中から、チャリティー基金として東北ゴルフ連盟に寄付することにしています。
2日目の宮城オープンゴルフトーナメントはプロ57人、アマ14人の合計71人が参加して、午前7時14分スタート。18ホールストロークプレーを行いました。宮里聖志プロが1番パー4の第2打PS52度で3メートルに寄せて幸先のいいバーディ。3番パー5はグリーン周りからのアプローチがピンそばにつきOKバーディ。6番パー5もエッジからのアプローチを2メートルに寄せて、アウトは3バーディの33と好スタートを切りました。インは12番パー4で7メートルのロングパットを沈めバーディ。13番パー5は手前のバンカーに入れ、40ヤードがうまく寄らず唯一のボギー。しかし、14番パー4で8番アイアンの第2打を2.5メートルに運び、17番パー5はアプローチを1.5メートルにつけて2バーディをゲット。イン34の5アンダー67で2位に2打差をつけて優勝しました。
「ティショットが良かった。フェアウェイを外したのは1回のみ。ゴルフの組み合わせが楽でした」と会心のゴルフを振り返りました。このトーナメントは2回目の出場。昨年は初めてのコースで80を叩きました。「悔しい思いを払拭しようと頑張りました」。ことしから東北プロゴルフ会が地元のトーナメント主催することになり、優勝賞金も倍の100万円に増えました。「(それを目標に)緊張感を持ってプレーできて良かったです」と喜んでいました。この賞金を何に使うのと水を向けると「奥さんに渡して貯金します」と愛妻家の一面をのぞかせました。仙台で夫人と8歳の娘との3人暮らしです。
宮里聖志プロは1977年2月28日生まれ。沖縄県国東郡東村出身。大和地所所属。レッスンプロ宮里優さんの長男で、弟の優作、妹の藍もプロという有名なゴルフ一家。2005年の国内男子ツアー初戦「アジア・ジャパン沖縄オープンゴルフトーナメント」(那覇ゴルフ倶楽部)の最終日に8打差を逆転して劇的なプロ初優勝を飾りました。翌年の大会は連覇のチャンスを迎えましたが、プレーオフで惜しくも敗れました。2013年に8年守ったシードを手放しました。14年は初めてチャレンジトーナメントを主戦場に戦い、7月の「HEIWA・PGM・ChallengeU」で優勝。賞金ランク8位に入りました。当面の目標はレギュラーツアーへの復帰。時々は試合に出ていますが、再びシードを獲得して、弟の優作プロと兄弟で戦うことです。課題は「いい時と悪い時があって安定しない。それを克服できるように頑張りたいですね」と話していました。
準優勝は菊池純と相澤敏弘がトータル通算3アンダー・69で入りました。アウトスタートの菊池プロはアウトからスタート。3番パー5は第2打3番アイアンで2オン。6メートルに寄せてバーディ。4番パー4は7メートルを3パットのボギー。6番パー5はグリーン手前のバンカーから30センチに寄せ、8番パー4は4メートルを沈めてバーディの34で折り返しました。インは14番パー4で6メートル、17番パー5は1メートルとバーディを重ねましたが、18番パー4はカラーからショートして3パットボギーの35で69。「調子は悪くはなかった。グリーン上で打ち切れなかった。OBを打たなかったのが良かった」と話していました。
埼玉県出身。1973年12月22日生まれ。19歳からゴルフを始め、1995年福島県のサラブレッドCC研修生時代にプロテスト合格、プロ転向。2002年から6年間シード選手として活躍しました。2007年のサン・クロレラクラシックでツアー1勝。現在はチャレンジトーナメントを中心に参戦。再びレギュラーツアー復活を目指しています。
相澤プロはインスタート。10番パー4は9番アイアンで50センチ、11番パー3は4番アイアンで2メートルに寄せストレートラインを沈めて連続バーディ。17番パー5の第3打104ヤードをPSで2メートルに寄せ3アンダーとスコアを伸ばしましたが、18番ボギーの34。アウトは2番パー3でボギーの後、3番パー5は7番ウッドで6メートルに2オン。20センチに寄せてバーディ。4番パー4は8メートルのストレートラインを放り込み連続バーディの35。3アンダー69で菊池プロと準優勝を分け合いました。
前日のプロアマ戦の67には及ばず、2日続けての優勝はなりませんでしたが、安定したゴルフを展開しました。「ショットはまあまあでした。プロアマ戦には同級生が多く参加していたので、同窓会では奢らされるでしょうね」と笑っていました。地元プロだけに、いいゴルフ仲間に恵まれています。長年、PGA東北プロゴルフ会の中心メンバーとして活動し、現在は副会長の要職にあります。「私たちが発信していかないと、若手が伸びていかない。これからも頑張りたい」と先輩プロとしての決意を語っていました。
ローアマは15歳の横山もも選手(八戸工大第一高校1年)が34、35、69で獲得しました。インスタートの1番でいきなりボギーを叩きましたが、17番パー5の第3打を3メートルにつけてバーディ。18番パー4でも4メートルを沈めて連続バーディの35。アウト4番パー4では2メートル、5番パー3は8番アイアンで5メートル右に寄せ連続バーディの34。トータル3アンダー・69はこれまでの70を破る自己ベストスコア更新となりました。
「ショットが良かった。パターも入りました」。このコースはことし2回目のラウンド。「狭いのでフェアウェイをキープするようにプレーすることを心掛けました」。和田委世子プロ、上野藍子プロと同じ組でラウンド。「パターがうまかった」と参考になったようです。東北ゴルフ連盟強化指定選手で、7月26日からは東北ジュニア選手権、9月にはミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンに出場します。3年後にはプロを目指すという期待のジュニアの一人です。
表彰式は武田満事務局長の司会で始まり、今年度から宮城オープンゴルフトーナメント大会会長に就任した菊田浩之菊田陶芸(株)代表取締役社長が挨拶。
「今年で5回目を迎えた大会に多くのプロ、アマチュアゴルファーの皆様にご参加いただき、ありがとうございました。マナーと腕前がレベルップできるように、賞品と賞金を多く出していただき、御礼申し上げます。ジュニアの皆さんには応援するので、プロになってほしい」と励ましました。
「女子プロゴルファーの皆さんも参加していただき、ありがとうございました。また、開催コースのおおさとゴルフ倶楽部の競技委員やボランティアスタッフの皆さんにも大変お世話になりました」と感謝しました。
渡邉馨おおさとゴルフ倶楽部競技委員長が成績発表。ローアマの横山選手を表彰した後、宮里プロに優勝杯と優勝賞金100万円が贈られました。準優勝の菊池プロと相澤プロは、2位と3位の賞金の合計を2人で分け合いました。武田事務局長がローアマの横山選手とプロ上位3選手にインタビュー。横山選手は「女子プロの方とご一緒で、いい緊張感があってプレーできました」。高校1年生の15歳ですが、今後の目標を聞かれて「3年後にはプロになることです」と答え、会場から応援の拍手をあびていました。
宮里プロは妹の藍選手が東北高校在学中に、このコースで開かれた全日本パブリックアマ選手権東北大会で優勝し、そのスコアカードが倶楽部に残されていると聞き、驚いていました。武田さんに「このコースで優勝したことを藍さんに伝えてくださいね」と言われると、「来年はこの大会に出るように伝えます」と答えて、満場の拍手を誘っていました。
大会事務局長の武田満さんは、石巻のニチニチ製薬株式会社東北支社長。「私はゴルフと出会って本当に幸せです。東日本大震災の時、ゴルフをすることで復興への意欲を高めました。そこで被災した人びとにゴルフを通して元気になってもらおうと、このチャリティプロアマ大会を企画しました。今年は協賛品と協賛金が倍増し、本当に良かったと思っています。来年もさらに充実させていきたい」と前向きに話していました。