
『宮城AG(アコーディアゴルフ)オープンゴルフトーナメント2015』が7月20日(月)〜21日(火)の2日間、おおさとゴルフ倶楽部で開かれました。
大会初日は「おらほのプロを応援しよう、被災した東北のジュニアゴルファーを応援しよう、被災した東北のゴルファーに元気を与えよう」という趣旨で、プロとアマがプレーするチャリティーゴルフ大会を開催しプロの技術を体感したり、レッスンを受けたり充実した1日を送りました。
2日目はプロを中心に、アマチュア、ジュニアによるスラッチ競技の「宮城オープンゴルフトーナメント」を開催。4回目の今年は夏の好天に恵まれ、プロ32名、アマチュア13名が熱戦を展開。素晴らしいゴルフトーナメントになりました。
初日のプロアマチャリティーゴルフ大会は、原則としてアマ3人にプロ1人が同伴しラウンドレッスンを行う試合形式で、アマ56人、プロ20人、合計76人が参加。アマは新ペリア方式、ダブルパーカットで18ホールストロークプレーを楽しみました。競技の結果、アマは山内正博さんが41、41、82(10.8)71.2で優勝しました。「6月以来久しぶりのラウンドでした。鈴木豪プロとの組み合わせに恵まれ、楽しいゴルフでした。OBあり、バーディ、ダブルボギー、トリプルボギーありで、かくしホールにうまくはまりました」と笑っていました。
石巻市で写真館を営む58歳。ゴルフ歴17〜18年、JGAハンディ9。震災以前は年間70回もゴルフを楽しんでいました。最高のハンディは4.3でしたが、震災でスタジオも自宅も半壊する被害を受け、ゴルフをするモードが失われ、プレー回数が減りました。業者不足もあって自分でスタジオや家を修理しています。腰痛持ちなので、無理をしないスイングを心掛けたのが良かったそうです。この大会は一昨年以来2回目の参加。「こうしてプレーできるだけでうれしいですね」と喜んでいました。
プロの部は細田尚孝プロが34、31、65の好スコアで2位に2打差をつけて優勝しました。アウトは3番パー5で2オン2パット。6番パー5は2オン3パットのパーでしたが、8番パー4でバーディの34。インは17番パー5でドライバー、3番ウッドで2オンし、手前20ヤードを放り込んでイーグルを奪い、3バーディの31をマーク。ノーボギーの完璧なゴルフを貫きました。
「ラッキーでした。パターが良かった。OBもなく、ティショットも決まった。出来過ぎです」。石川県出身。20歳でプロになり、キャリア20年の40歳。これまで地区オープンに出場するくらいで実績もありませんが、金沢市の中森快適薬局と契約しプロ生活を続けています。「難しいコースだと聞かされましたが、初めてなので、自分の目で見た通りに攻めました。こういう経験はなかなかできないので最高です」と、はじけそうな笑顔で優勝の喜びを語りました。
この後、武田事務局長のなめらかな司会で表彰式が行われました。ニアピン、ドラコンのアトラクションから始まり、下位から上位へと表彰を盛り上げました。アマチュアの皆さんはプロとラウンドしながら、レッスンも受けられて参考になったと話していました。初めて参加した宮里聖志プロは「相澤敏弘プロから声を掛けられて参加しました。こういう大会はいいですね」と感想を話していました。なお、大会収益金の中から、チャリティ基金として被災したジュニア育成のため、東北ゴルフ連盟に寄付することにしています。
2日目の宮城オープンゴルフトーナメントはプロ32人、アマ13人の合計45人が参加して、午前7時28分スタート。18ホールストロークプレーを行いました。鈴木豪プロが好調なゴルフを展開。インスタートの前半は15、17番バーディ、16番ダブルボギーの36でしたが、アウトでは1番バーディスタートの後、3番パー5で10メートルのイーグルを奪い、7、9番でもバーディを重ねて31の5アンダー65でホールアウト。すし石垣プロに1打差をつけて見事優勝を飾りました。1日の試合で優勝賞金50万円を獲得、優勝カツプを掲げて「最高です」と喜んでいました。「組み合わせが良かった。アマチュアの遠藤祐也さんも優勝しました」と二人で互いの健闘を祝福しました。
新関善美プロに誘われて、プロゴルファーへの道を進みました。ビックライザックカントリークラブの研修生になり、21歳の時に1年でプロテストに合格し9年目の30歳。仙台空港CCやゴルフ練習場などでレッスンを続けながらQTを受けていますが、試合に出場する機会に恵まれていませんでした。しかし、メンタルと体調管理面で応援してくれる管野寿之氏(「トッチーのゴルフレッチ苦楽部」主宰)の助言で、ゴルフの調子も上向きになり、今季は『ダンロップ・スリクソン福島オープン』の東北チャレンジを4位で通過し、主催者推薦で初めてトーナメントにも出場しました。見事予選を通過。3アンダー64位でした。「今年はいい転機になりそうです」と意欲をみせています。得意なクラブはサンドウエッジとドライバー。東北プロゴルフ会の会員。今後の活躍を期待しましょう。
ローアマは遠藤祐也選手が4オーバー76で獲得しました。インコースからスタート。10番5メートル、17番3メートルの2バーディ、3ボギー、1ダブルボギーの39。アウトは7番3メートル、8番1.5メートルの2バーディ、1ボギー、1ダブルボギーの37。「ショットが良かった」のが勝因。一昨年の大会でもパープーレーで優勝しています。ゴルフ歴30年。グレート仙台CCがホームコースでハンディ1。
今年からシニア入り。第30回宮城県シニアゴルフ選手権(7月2〜3日、泉パークタウンゴルフ倶楽部)で、2日間通算2オーバー146で初優勝しました。2012年には宮城県ミッドアマ選手権にも優勝している名手です。このトーナメントについて「プロと一緒にプレーできるので、アマチュアにとってはありがたいですね。来年も出場したい」と話していました。
表彰式は武田満事務局長の司会で始まり、優勝賞金を増額できたことを報告、おおさとゴルフ倶楽部のボランティアのメンバーに全員で感謝を捧げました。続いて、渡邉馨おおさとゴルフ倶楽部競技委員長が挨拶。大会が無事終了したことを感謝した後、「この大会に遠方からもご参加いただき、ありがとうございました。このトーナメントは手作りのため、ご不便をお掛けしたことと思います。お詫び申し上げます。この大会に備えて、スタッフやグリーンキーパーが素晴らしいコースコンディションを作っていただき、ありがとうございました」と語りました。
ローアマの遠藤祐也選手を表彰した後、鈴木豪プロに優勝杯と優勝賞金50万円が贈られました。
賞金25万円を獲得した2位のすし石垣プロは「相澤敏弘プロに誘われて参加しました。彼とはプロになる前から一緒に練習する仲です。優勝を目指してきたので、悔しいですね」とプロ根性をのぞかせました。
「優勝できなかったのは、自分に足りないところがあったからだと思う。練習して次の試合に備えたい」。昨年は体調を崩し、身辺に不幸が重なったこともあって、今季のシードを失いました。チャレンジトーナメントで再生を期しています。「調子は良くなってきたので、チャレンジが頑張ってツアー復帰を目指します」と意欲を燃やしていました。
唯一の女子プロとして参加した高橋美保子プロは2オーバー74の16位タイ。東北プロゴルフ会員同士の相澤敏弘プロから声を掛けられ参加しました。「調子はあまり良くなかった」と苦笑い。福島県出身で仙台育英学園高卒。2000年プロ入り後、2002ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンなどツアー優勝3回。現在は千葉県に住み、レッスンなどの仕事をしながら、チャンスがあれば試合に出ています。大会事務局長の武田満さんは、石巻のニチニチ製薬株式会社東北支社長。津波で会社も家も流されましたが、ゴルフをすることで復興への意欲を高めました。そこで被災した人びとにゴルフをすることで元気になってもらおうと、このチャリティプロアマ大会を企画し、渡邉馨おおさとゴルフ倶楽部競技委員長に相談。一昨年から宮城オープンゴルフトーナメントを始めた経緯があります。来年はさらに協賛金やアマチュアの参加者を増やしたいと前向きです。プロとアマチュアが一緒にラウンドするこういう大会がさらに充実するように努めたいものです。